たくさん絵を描いたからといって絵は上達するわけじゃない。
とにかく真剣に描いたからといって絵は上達するわけじゃない。
そしてどれだけ上達しようとも、周囲に認められるわけでもないし、いつか仕事につながるようなレベルでもない。どうしても表現したい何かがあるわけでもない。
そんな感じで、絵の上達努力を10年以上続けても大した成果を出せないでいた僕の脳内では、「一体どうしたら良いのか?」という悩みが堂々巡りを続けていました。
しかし、しぶとく描き続けてなんとか今では堂々巡りを抜けることができています。
その頃の悩みに対して自分なりに出した回答をQ&A形式のまとめ記事にしてみました。これが今同じような悩みを抱えている人のヒントになれば幸いです。
Q1.絵の才能がない人間はどうしたら絵が上手くなりますか?
▶A.王道ではなく邪道を選ぶ
「他人に認められる絵」を目指すのが王道です。
きっとあなたも王道を歩み、他人に称賛される神絵師やプロのようなイラストが描けるようになりたいと願った一人でしょう。
でも現実は批判されるばかりで全く認められなかった。
だから「自分には才能がない」という結論に至っている。
でも本当にそう思うなら王道からドロップアウトするしかありません。
そして「他人に認められる絵」ではなく「自分に認められる絵」を目指す邪道を選ぶ。
他人の承認になど期待せず、自分で自分の絵を承認していく。
王道を歩めずとも邪道を歩めるのであれば、才能がなくても上手くなれます。
邪道について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
Q2.描きたいものが思い浮かばないときはどうしたら良いですか?
▶A.ぶっつけ本番ではなく準備から始める
「さあ、何でも自由に描いて良いぞ!」という条件で白紙と向き合うものの、頭が真っ白になって動けなくなる。描きたい気持ちはあるけど、何も描けない。
それはぶっつけ本番でスピーチに挑むのと同じ症状。スピーチ慣れしてない人の頭が真っ白になるのは当然のこと。それを回避するには最低限の「準備」が必要です。
絵でも同じです。白紙を前に固まってしまう人は、白紙と向き合う前に「準備」をしましょう。
準備について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
Q3.高望みだと分かっていても目標を下げられない場合はどうしたら良いですか?
▶A.できることを全部やり尽くした後、改めてチューニングしてみる
描きたいものと実力との間にギャップがあることが問題だと頭では分かっているのに、そのハードルを下げることが出来ない。
そんな人はまだ自分にできることをやり尽くしていないのです。全部やり尽くして可能性がないことを認められたら、自然と目標を下げることに納得できるでしょう。
既にもう打つ手なしと思えているのであれば、次の3つの記事で紹介しているチューニング法が参考になると思います。
Q4.自分の絵を好きになるにはどうしたら良いですか?
▶A.セルフコンパッションを学ぶ
「自分の絵が嫌い」、「どうしても好きになれない」という人は実は多数派だと思います。これは絵に限らず自己肯定感が低い日本人の「自分嫌い問題」と根っこが同じだからです。
「上達して見る目が肥えてきた証拠」であり「上達するために必要な感覚」なのも事実でしょうけど、悪い部分にばかり目が行き、良い部分が見えなくなっている状態では絵を描くのが嫌になってしまいます。
セルフコンパッションは、競争原理の中で自己批判に偏ってしまった価値観を改善する方法です。
この歪みを改善できれば、「自分の絵が嫌い」な原因は絵が下手だからではなく、自分の心に問題があるからだとわかって来るでしょう。
セルフコンパッションについて詳しく知りたい方は次の2つの記事をご覧ください。
Q5.満足できる絵を描くにはどうしたら良いですか?
▶A.ノルマや締切をなくしてみる
ノルマや締切を設定すると、「やりたくないこと」であってもなんとか完成させられます。
逆にノルマや締切なしで創作に取り組むと、「やりたいこと」でなければ完成させられません。
安易に妥協していたらモチベーションが続かない。でも理想にこだわるだけでは永遠に完成しない。
だからこそ、締切なしで完成させた作品は納得度がMAXになり、満足に届きやすいのです。
どれだけ絵を描いても満足感を得られないという人は、一度ノルマや締切なしの作品作りを試してみることをオススメします。
締切なしの作品作りについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
Q6.絵を描く意味ってなんですか?
▶A.自分の「好き」の感情を視覚的に他人に伝えられる
絵の上達努力を続けていると「絵のために絵を描く」状態に陥りがちです。
しかし「絵で絵を表現する」なんてできません。
それは手段が目的になってしまった状態であり、絵を描く意味を見失ってしまうのも当然のこと。
自分の「好き」の感情を誰かに伝えるために描くのであれば、ちゃんと絵は「表現」手段としての意味を持ちます。
「好きの表現」について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
Q7.どんなに上達しても満たされない虚しさはどうしたら解消できますか?
▶A.絵の上達の願い方を変えてみる
「絵が下手なのが嫌」、「絵を批判されるのが嫌」などの回避欲求、もしくは「画力が欲しい」、「絵を上達させたい」などの到達欲求をモチベーションにする願い方をしていると永遠に満たされません。
願えば願うほど「今の自分」を否定し、欲求不満が刺激され続けるわけですから。
今を否定して「理想の未来」を目指すのではなく、今を祝福して「理想の今」を目指す形式に願い方をアップデートしましょう。
「理想の今」を1ミリでも再現できた時、虚しさは解消されます。
「絵の上達の願い方」について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
Q8.スランプ脱出のコツはありますか?
▶A.スランプ中は上達を禁止する
スランプとは過剰な上達意欲により理想と実力のギャップが広がりすぎて、努力しても埋められなくなった状態のこと。
なのでスランプ中の人にとって上達意欲はただの毒です。
うつ病の人には「頑張る」が毒になるようなものと理解して、スランプを自覚したらできるだけ早めに上達を禁止しましょう。
そして上達以外の方法で自分の絵を「いい感じ」に仕上げる方法を考える。
見事「いい感じ」に仕上がった時にはスランプを抜けているはずです。
「スランプ脱出法」について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
あとがき
僕は絵を描く時間以上に「絵について考える」ことに時間を費やしてきました。
なので「考えてる時間を描くことに当てれば問題は解決したんじゃね?」と思ったことが何度もあります。
しかし、ある程度悩みを解決できるようになった今振り返って見ると、「とにかく描く」だけでは解決不可能だったなと思います。
実際に悩まず描くことを優先した時期もありますけど、それでは問題は解決しませんでしたし。
結果論かもしれませんけど、「考える」ことも「絵を描く能力」の一部だと考えます。
「一体どうしたらいいのか?」という自分からの問に対し、納得いく回答を用意できなければ描き続けられなかったわけですから。
思考停止の根性論や、借り物でしかない他人の理屈だけでは自分は納得してくれません。
今でも未解決の悩みは残っていますけど、それらは気長に絵を描きながら考え続けるってことで何とか納得してもらってます(笑)
解決できたらこのまとめ記事に追加していこうと思います。
▲「創造性の回復」をテーマにした本です。「絵の上達努力」に疲れてしまった人にオススメ。
色々と課題が出されるので精読に時間がかかることと、ちょっとスピリチュアル的な表現が多く、抵抗を感じる人もいるかもしれません。
でも、創作をする人にとって技術より大事なものを教えてくれる素晴らしい本です。
僕が今も絵を描き続けられているのはこの本のおかげです。
【関連記事】絵の悩みを根本的に解決するには「実際に描く」しかありません。でも闇雲な努力は悩みを悪化させるだけ。そこでオススメなのは下書きなしのペン画に挑戦することです!
コメント