全然モテない、女性が苦手、彼女がいない歴=年齢。
そんな悩みを持つ男性は決して少なくないでしょう。
実はあの「怖いもの知らず」のイメージが強いホリエモンこと堀江貴文氏も、似た様な悩みを抱えていたそうです。
そんな非モテエピソードまで書かれている彼の自伝本『ゼロ~なにもない自分に小さなイチを足していく~』は恋愛ハウツー本ではありません。
ただ、このエピソードが最も印象的であったことから、この本のノウハウを基に、恋愛に消極的で非モテな人間が、どうすれば行動を起こしていけるのかを考えてみようと思います。
非モテの心を開く鍵
「怖いもの知らずの自信家」
「才能や環境に恵まれたエリート」
「金の亡者」
僕は、堀江さんに対してそんな「成功者」のイメージがあり、自分とは違う存在なんだと考えていました。
しかし、ちょっとしたきっかけで読んだこの自伝本により、彼のイメージを塗り替える多くのエピソードを知りました。
その中でも非モテエピソードは、全く別物と思っていた僕と堀江さんの人生の接点となり、一気に親近感を抱きました。
”今だから明かす話だが、僕は大人になってからもずっと、女の子に対してキョドっていた。”
引用元:堀江貴文:『ゼロ~なにもない自分に小さなイチを足していく~』:第二章 ぼくは全くモテなかった
”ようやく女の子と普通に接することが出来るようになったのは、30代の中盤になってからのこと。情けない話だが、これは事実である。”
恋愛のアドバイスにおいて、モテる人、もしくは彼女ができて非モテ時代の悩みを黒歴史として葬り去ってしまった人の話は参考にできる気がしません。
だって彼らのアドバイスは「まずは行動しろ。話はそれからだ」という、行動ありきのものであり、「行動できない状態」への理解も対策も含まれていないから。
だから、行動できずにいる非モテにとっては何の役にも立たないのです。
とは言え、勇気を出して行動しなければ何も始まらないのも事実。
どんな言い訳を並べるのも自由ですが、何かを得たければ行動するしかありません。
でも、そんな正論を何百と聞かされたところで問題は何一つ解決しない。
ニートに「働け!」と言っても、ブラック企業の社畜に「転職しろ!」と言っても、非モテに「行動しろ!」と言っても何も変わらないでしょう。
正論は正しいだけ。
マウントを取る以外使い道のない無益な言葉です。
そんな、完全に非モテをこじらせた人間が耳を傾けようと思えるのは、彼女ができる前、非モテ時代の初心を忘れていない人の言葉です。
堀江さんは20代で結婚・離婚をしていますが、30代中盤まで女性が苦手で、まともに話せる日が来るとは思ってなかったと語る彼の言葉であれば、無益な正論ではない、僕にも有効なヒントがあるのではないかと思えたわけです。
行動するための鍵
行動しなければ何も始まらないのは知っている。
でも問題は、知っていても行動できないことです。
だから最初に見つけなければならないのは「行動するための鍵」。
そしてそれは、「思考」することにより見つけることができます。
堀江さんは刑務所の塀の中でも、出所後のビジネスプランを考えたり、メルマガ原稿、読者からの仕事や人生の相談へ回答を執筆したりしていたそうです。
塀の中で自由を奪われている堀江さんに、塀の外で自由を謳歌しているはずの読者が、仕事や人生の不自由さをなんとかしたいと思って相談している。
そんな矛盾した状況の中で、堀江さんは「自由とは心の問題」なのだと結論づけました。
行動する自由を奪われても、思考する自由は奪えない。
刑務所の中にいても思考することをやめなかったからこそ、自由であり続けることができたのだと。
普通に暮らしていて不自由さを感じてしまうのは、年齢、環境、能力などを言い訳にして思考停止してしまっているから。
思考停止してしまった瞬間から人は自由を失ってしまい、挑戦することができなくなるわけです。
堀江さんは本の中で、「どうせ無理」と挑戦を諦め、金や権力から得られるちっぽけな自由に執着する大人たちを「思考が硬直化したオヤジ」と呼んでいます。
非モテな人間は、恋愛に対して「どうせ無理」と諦めてしまっている「思考が硬直化したオヤジ」です。
思考停止しているから行動するための鍵も見つけられず、ずっとゼロ地点から動けない。
なので、行動できずにいる非モテが一歩を踏み出すためには、まず思考停止を解く必要があるのです。
思考の牢獄から出るための鍵
しかし、「どうせ無理」と諦めきっているからこそ思考停止しているわけで、「思考しろ!」と言われても「なんか意味あんの?」としか思えないでしょう。
つまりもう一段階、「どうせ無理」という思考の牢獄から脱するための鍵が必要となるわけです。
そのヒントは、本の終盤に書かれていました。
”他者を羨ましいと思う気持ちがあるのなら、その人の足を引っ張るのではなく、自分で一歩を踏み出そう。
引用元:堀江貴文:『ゼロ~なにもない自分に小さなイチを足していく~』:第五章 ゼロからイチへの試金石はどこにある?
他者を引きずり下ろすのではなく、自分が這い上がろう。
先行く他者にブレーキをかけるのではなく、自分がアクセルを踏もう。
成功者をバッシングするのか、それとも称賛するのか。
これは嫉妬心と向上心の分かれ道であり、ゼロにイチを足せるかどうかの試金石である。”
この文章から、僕は「嫉妬」の中にこそ、思考停止を解くための鍵があると考えます。
「嫉妬」とは「憧れ」の裏返し。
元々は向上心を生み出すキラキラした感情だったはずが、現実の厳しさや、周囲の批判に染まり「どうせ無理」と思考停止してしまった結果、挑戦しない言い訳で塗り固めてドロドロに変質してしまったものです。
でも間違いなく、「嫉妬」を感じる対象には羨ましさを感じているはず。
恋愛に関しては完全に「すっぱい葡萄」になっているものの、心の奥底ではそれを欲していないはずがありません。
幸せそうなカップルやファミリーを見てドロドロした嫌な感情しか湧いてこないのは、思考停止して気持ちの行き場がなくなっているからです。
流れが止まった水は腐っていくもの。
でももし、思考停止を解いて「嫉妬」の行き場を作ることができたなら、淀んだ感情は溜まりません。
そのために、まずは「嫉妬」に意識を向けること。
そして、そのドロドロを観察し、言葉として書き出してみましょう。
自分の内側で行き場を失っていたドロ沼の水を、一度ノートなどの紙の上に全部吐き出してしまうわけです。
その過程で気づくのは、思考回路の流れを詰まらせていたものは、他人が用意したハードルの高い行動プランだったということ。
婚活パーティ参加とか、出会い系アプリで女性と出会う機会を作るとか、気になる女性をランチに誘うとか。
そりゃ「どうせ無理」ってなりますよ。
非モテがそんな行動を起こしていい結果が得られるわけがありませんし、苦渋を味わうばかりで全然楽しくなさそうですから。
そんな無理めの行動プランしか選択肢になかったために、どのルートも「どうせ無理」と判断され、流れが止まった思考停止状態に陥っていたわけです。
先程の「嫉妬沼の水全部抜いてみた」の感情吐き出し作業を続けていくと、沼に埋もれいてた「憧れ」の感情も吐き出されるはず。
そうしたら次は、その「憧れ」に意識を向けます。
すると気持ちが望んでいる方向がわかる。
思考の牢獄の出口はその先にあります。
つまり、「思考するための鍵」は「憧れ」です。
「嫉妬」から目をそらして放置している限り、脳は被害妄想しか生み出さず、何をしたいのかもわからないまま。
でも「嫉妬」と向き合い、「憧れ」に目を向けることができれば、ゼロ地点からイチ地点への方向を知ることができる。
あとは、自力で行動プランを考えるだけです。
実現可能であり「やってみたい」と思えるものを。
年齢相応の課題よりも、恋愛につまづいた小中学校の頃を基準に考えたほうがいい案が浮かぶかもしれません。
犯罪的なプランでなければ、多少気持ち悪くても構わないと思います。
それが自分が憧れる方向につながる可能性があるなら、実行する価値はある。
つながる可能性のない他人の用意した行動プランより、遥かに価値があるでしょう。
その憧れる方向につながる可能性こそが「勝機」であり、「行動するための鍵」になります。
「希望」と言いかえてもいいでしょう。
なければただの負け戦。
負ける可能性100%の挑戦なんてやる気になるはずがありません。
1%でも勝てる可能性があるから「やってみたい」と思えるのです。
「どうしたら行動できるか」を思考し続け、「勝機」が見つかるまで継続する。
どれだけ時間をかけて思考しても、行動できなければ「バカの考え休むに似たり」になってしまう。
思考に意味を与えられるかどうかは、最終的に行動できたかどうかで決まります。
「勝機」ある行動プランを用意することができたら、そのプランと「嫉妬」を思考回路でつないでおきましょう。
そうすれば、今後「嫉妬」の感情が湧いても、それを流す回路と、行き場となる行動プランが用意されているので、行動のエネルギーとして有効活用していくことができます。
恐怖の扉を抜けるためのノリ
でもここまで理解し、「勝機」も「憧れ」も見出だして既に扉の鍵は開いているのだとしても、そこから一歩を踏み出すのはやはり怖い。
怖いものは怖い。
それこそ「死の恐怖」と比べても大差はありません。
問題は死ぬか死なないかではない。
死ぬほど怖いということ。
死ぬほど辛いということです。
失敗して恥をかくことも、伝えた好意が拒絶されてしまうことも、考えただけで叫び声を上げて消えてしまいたくなるほど怖い。
そんな苦痛は誰だって味わいたくありません。
「死の恐怖」に怯え、そこから逃げ出したくなるのは生物として正常な反応でしょう。
だから大事なのはその先です。
いったん安全地帯まで逃げるのはいい。
そのまま安全地帯で「どうせ無理」と賢いフリをしながら生きる思考停止オヤジの仲間入りをするか、戦略を練り直して再び恐怖に挑むか。
そこが、ゼロにイチを足せるかどうかの分かれ道です。
どうしても一歩を踏み出せないなら、意識を進行方向に向けるだけで十分。
自分にとっての「恐怖」を、安全地帯から眺めるという姿勢を取ることができれば、再び出口を見失うことにはなりません。
焦らずに「恐怖」と向き合い、戦略と心の準備を整えながら、自分のタイミングを待ちましょう。
その間に「恐怖」を細分化した課題をこなして耐性をつけておくのも効果的です。
それでも、向き合うことに慣れるだけで「恐怖」が消えるわけではありません。
だから最後の最後はもう「ノリ」の勢いにまかせるしかない。
その時こそ全力で「言い訳」の力を発揮しましょう。
「今行動しないなら一生行動することなんてできない。
今行動できたなら、振られても二度目もありうる。
でも今行動できないなら、次もできない。
それはこれまでのお前の人生が証明してる。
全ての条件がそろったこの状況でできないならもうどんな条件でも無理だ。
だから今行動か一生独り身か好きな方を選べ!」
こんな風に「言い訳」も使いようです。
「行動しないため」にも「行動するため」にも使うことができます。
その効果は自分の意思次第。
脳は自分の望む行動を正当化するために、いくらでも都合のいい情報を集めて理屈を構築してくれます。
ここまでの思考による行動プランや戦略の構築は、この「行動するため」の言い訳ができる意思力を磨くためのものです。
まあ、それでも行動できない時はできないと思いますけどね。
時期尚早と判断し、いったん引いて態勢を整えるのもありです。
ただし、いくら時間をおいても、実際の行動を積み重ねない限り、課題の難しさは変わらないということは覚えておいたほうが良いでしょう。
堀江さんも、挑戦を支えるものは「ノリの良さ」だと語っています。
たとえ話として、「桃太郎の桃=チャンス」が川を流れてきた時に、桃を掴みに行くか、怖がってスルーするのか。
そういう誰にも平等に流れてくるチャンスに対する姿勢こそが、その人の人生を決めているのだと話していました。
堀江さんの言う「ノリの良さ」は、上記してきたような切羽詰まったものではなく、深く考えずに面白そうと思ったものに手を伸ばしてみる気軽さのことです。
でも、その本質は同じものだと思う。
堀江さんは大学時代に友人に誘われて始めたヒッチハイクによって「ノリの良さ」を獲得したと言う。
でも最初は勇気が必要だったと言うし、その積み重ねによって、恐怖を克服することができたのだと思います。
最初はどうしたって怖い。
「勇気」だけでは不十分で、「ノリ」の勢いがなければ一歩は踏み出せない。
だからこそ、非モテが全てを振り絞って一歩を踏み出すことができたなら、結果がどんなものであろうとも、他の誰もが全否定するようなものであったとしても、自分自身だけは全力で称賛し、100点花丸を贈ってあげてください。
恐怖の扉を抜けた後
最初の一歩目を踏み出せたとしても、99%は振られてしまうでしょう。
メルヘンやファンタジーではないのですから。
「なにもない自分に小さなイチを足していく」
そこでこの本のサブタイトルを思い出しましょう。
一歩目を踏み出し、行動できるようになったなら、あとは同じ様に小さな挑戦によって、小さなイチを足し算していくだけです。
いきなり大きな数を足そうとしても「どうせ無理」となりますし、本書でかけ算はスティーブ・ジョブズの言う「connecting the dots」のことと説明されているので、積み重ねた「dots」がなければ起こりようがありません。
ここまでの話は、僕が人生で初めてラブレターで告白した時の心境を、この本のノウハウと重ねて振り返ったものです。
最初の行動プランは、職場の可愛い子への片思いを「どうせ無理」ではなく、「なんちゃって(笑)」と思いながら味わってみる「片思いごっこ」でした。
ノーリスクでありながら「好き」のほの甘さを味わえます。
そんな安全圏で、小学生女子のごとくポエムやら相手のイラストやらを描いて楽しんでいました。(気持ち悪いとか言わない!)
そんなことをしているうちに「すっぱい葡萄」が少しずつ甘くなり、ダメ元で告白してみようかなとか思い始めてしまったわけです。
まあ結果は、当然の如く振られてしまいました。
そのショックが理由では決してないのですけど、そこから次の具体的な行動を起こせていませんでした。
そして今回、この本を読んで、僕が次のイチを積み重ねるためにできることは何かを考えてみることにした。
その結論が、ブログで「自分の非モテコンプレックスを語る」ことです。
語ったところでどうなるというものではないのですけど、僕はそれが今必要なイチだと思いました。
自分でそう思えたならそれが「勝機」ですから。
「そんなめんどくせーことやってないで、さっさと具体的な行動をしろよ!だから彼女ができねーんだよ」
とマウントを取ってくる人もいるでしょう。
でもどんな正論を並べられたとしても、やれることは「なにもない自分に小さなイチを足していく」ことだけ。
それ以上のことをやろうとしたって、それこそ「どうせ無理」です。
別に、他人が「具体的な行動」と認めるレベルの行動をする必要はないのだと、そう割り切れたのがこの本一番の学びでした。
恋愛に対して今の自分ができる小さな挑戦を積み重ねていく。
それだけが、非モテが前進するための唯一の方法だと考えます。
あとがき
今回、自分のコンプレックスを開示した記事を書いてみようと思えたのは、堀江さんの勇気あるカミングアウトに心動かされたからこそです。
その勇気に、感謝と敬意を表します。
まとめるのに結構苦戦しましたが、おかげで新たなイチを積み上げることができました。
”できることならコンプレックスにまみれた過去の自分など、思い出したくもないし、語りたくもない。実際、これまでほとんど語ってこなかった。”
引用元:堀江貴文:『ゼロ~なにもない自分に小さなイチを足していく~』:第二章 あなたが仕事や人生に怖気づく理由
▲あのイケイケだったホリエモンが出所後に出した本です。
成功者が大きな挫折を味わった後、心境がどう変化するものなのか知りたくて読んでみました。
テレビやYouTubeでのみホリエモンを見てきた人は印象が大きく変わると思います。
(※Audibleに登録すればオーディオブック版を初回30日間は無料で聴けます。この機会にお試しあれ)
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