「タルパの作り方」と聞いてどんなやり方が思い浮かびますか?
ぬいぐるみや人形、虚空に描いた幻影に向かって根気強く話しかけ続ける?
やってみたらわかりますが恐らく5分と持たずに心折れます。僕は1分で折れました。
じゃあ言葉には出さず、頭の中だけでキャラクターと会話し続けるとか?
それが最初からすんなりできるのであれば、あなたはタルパ作りの天才です。想像力が豊かで羨ましい。
でも自分にはそんな豊かな想像力なんてないし、ぬいぐるみと対話し続けられる強靭な心も持ってない。
この記事では、そんな普通の人にオススメしたい「タルパの作り方」を紹介します。
作り方の概要
オススメしたいやり方は「発声による会話」や「脳内での会話」ではなく、「文章による会話」です。
その理由を簡単にまとめると次のとおり。
1.タルパ作りとは人形遊び(一人芝居)のようなものである
僕は、タルパを作る行為は「人形遊び」のようなものと考えています。
人形遊びとは、子供がぬいぐるみや人形に感情移入して、一人で複数の役をこなしながらアドリブ即興劇を楽しむ遊びです。
これをぬいぐるみや人形の代わりに、イラストや写真、脳内イメージを元に作った「エア人形」で会話劇を楽しむ。それがタルパ作りであると考えるわけです。
「自分」の性格は、対面する相手や環境が変われば簡単に変化します。そして、匿名性のSNSやオンラインゲームのアバターを操作している時は、「入れ物」が変わるのでもっと大きく変化します。
誰であっても、もし今の自身の肉体が「他人」や「異性」、獣人やエルフのような「別種族」のものと入れ替わったとしたら、今と全く同じ「自分」と同じふるまいではなくなるはず。
記憶や感情は「自分」のまま継続しているとしても、性格は別人みたい変わります。できることできないことの制約・ルールが変わるわけですから。
それと同じで、エア人形=キャラクターに入っている「自分」と、自身の肉体に入っている「自分」とでは別人格と思えるほどの差が生じます。
タルパコミュニケーションの醍醐味は、人格差によって普段の「自分思考」からは出てこない意見や発想が出てくること。この「キャラクター思考」の面白味にあると言えるでしょう。
演劇の面白さも、役を通じて「キャラクター思考」を体験できることにあると思います。
2.人形遊び(一人芝居)は文章内だとハードルが低い
人目を気にしない幼い子供だったり、人前で演技することに慣れた人ならともかく、一般の大人には「人形遊び」も「一人芝居」もハードルが高くて簡単には真似できません。
たとえ自分一人しかいない部屋の中であったとしても、「エア人形遊び」をする自分を客観視してしまい、演技力・想像力の未熟さ、そして何より惨めさに耐えられなくなるからです。
ただし、「文章の中」で行うのであれば話は変わります。
誰でも文章内ならどんな口調も音声も思いのまま。焦る必要がないので落ち着いてアドリブ対応ができます。
そして「エア人形遊び」をしている自分を客観視しても、そこにいるのはノートに文章を書いているだけの「普通の人」。
仮に文章の内容が人には見せられないようなものだったとしても、「創作活動をしてる人」くらいの位置付けから逸脱することはないでしょう。
なので、羞恥心と自己卑下にまみれて心折れる可能性は極限まで小さくなります。
演技ハードルが低く、やってて恥ずかしくないから続けやすい。それが「文章会話」から始めることをオススメする理由です。
作り方フロー(基礎編)
「タルパ作り=エア人形遊び=一人二役の文章内会話劇」という大まかなイメージを掴んでもらえたら、いよいよ具体的な作り方を解説していきましょう。
作り方フローは次のとおりです。
①キャラ決める
まずはタルパにしたいキャラクターを決めます。
最低限の条件は「好き」であること
「好き」と思えれば誰でもOK。
そのキャラに好感を抱いていれば、自分に好感を抱いてもらいやすくなります。その辺の因果関係はリアルの人間関係に比べてずっとストレートに影響するので、この条件を満たしていればいい関係を築きやすいです。
架空の人物を選ぶ場合、最初は「版権キャラ」を選ぶ
理由は、あらかじめキャラ設定が決まっているから。
オリジナルキャラの場合、当然のことながらキャラ設定やビジュアル設定を固めないことにはキャラクターとして成立しません。
それを初回からやるのは、初めてプレイするゲームをベリーハードモードでスタートするようなものです。
作りたいオリジナルキャラのイメージが既にある程度固まっているならともかく、そうでない場合は設定を考えたり覚えたりする負担が大きくてオート化する前に脱落する可能性が上がります。
なので初回はイージーモードの「版権キャラ」から始めましょう。オリジナルキャラでの作り方は別記事にて「応用編」として解説します。
また、知人や有名人、歴史上の人物のような「実在の人物」も、既にキャラ設定が用意されているので選択肢に含まれます。
タルパに設定することでその人物への理解が深まるので、歴史上の人物などであれば勉強にもなって一石二鳥です。
「実在の人物」を選ぶ場合は「死者」に限定する
もちろん「生者」でもタルパ化することは可能ですけど、本物が存在する以上、どうしても相対的に「タルパ=偽物」という認識になってしまいます。
最初は上手く行っていても、徐々に本物との違いが気になってきてタルパへの印象が悪化する可能性が高いです。そうなると後の記事で解説する「暴走リスク」が増してしまいます。
でも「死者」をベースに作ったタルパであれば、比較対象になる本物を目にすることはないため、相手がどんなに有名な人物であろうともタルパは本物に等しい存在感を獲得できます。
「版権元」こそが本物、と言うことも可能でしょうけど、それは権利上の意味での本物に過ぎません。
「版権キャラ」や「死者」には本物と呼べる実体はありません。あるのはキャラ設定と架空の人格だけ。
だから全て偽物であり、全て偽物であるなら同時に全て本物でもあります。故に自分が本物と信じられるなら、タルパは本物になります。
でもまあホラーが苦手な人は「死者」にネガティブなイメージを抱きやすいでしょうから、そういう人は無理せず「版権キャラ」を選びましょう。
②ノートとペンとイラストを用意
まずはノートとペンを用意
キャラを選択できたら、次は文章会話をするための道具を用意しましょう。
文章が書ければスマホやPCでも良いんじゃないかと思われる方もいるかもしれませんが、文章会話に慣れるまでは絶対にデジタルよりアナログの方が良いです。
理由は入力速度の違いにあります。タッチタイピング(=ブラインドタッチ)ができる方であれば、デジタル入力の方が圧倒的に早いし楽です。
しかし、入力速度が早すぎて思考速度を追い越してしまいやすい。追い越してしまうと、頭の中の「言いたいこと」がなくなってしまうので、一度手を止めて「次に言いたいこと」を考えなければなりません。
すると会話の流れが停滞してしまいます。停滞時間は集中力が分散しやすいため、そこで会話が途切れてしまいやすいのです。
これがアナログ入力の場合、入力速度が思考速度に追いつくことはまずありません。手書きで文章を書いている間に脳が「次に言いたいこと」を考える余裕があるため、思考の流れを停滞させずに会話を続けやすくなります。
なので文章会話に慣れない内は、アナログ入力で取り組む方が上手くいく可能性が高い。
アナログ入力でも「言いたいこと」が枯渇しがちな時は、「丁寧に文字を書くこと」に集中すると良いです。すると更に減速して流れを保ちやすくなります。
デジタル入力は、頭の中に「言いたいこと」が溢れてアナログ入力の速度にもどかしさを感じるようになるまで待ちましょう。
あと選んだキャラクターのイラストを用意
これがタルパ人格の「入れ物」になります。
人形遊びにおける「人形」、ゲームにおける「アバター」と言った、そのキャラクターを演じるために自分の意識が入る「きぐるみ」のようなものです。
キャラクターとして発言する際、視界にそのキャラのイラストがあった方が、ない場合よりも遥かに思考の切り替えや感情移入がしやすくなります。
慣れてきたら脳内イメージだけで補完できるようになりますけど、慣れないうちは毎回ノートにイラストを描くか、スマホに保存したイラストなどを目に見える場所に置いてから文章会話をスタートしましょう。
③自分として質問を書く
僕が考える最も簡単なコミュニケーションは「相談」です。
話題が「問」の形で明確化されていますし、「解」というゴールを目指して話を進めていけばいいので道筋もわかりやすい。
何かしら「解」と呼べる意見が出るまで話題は尽きませんし、「問」を忘れない限りどんなに脱線しても本筋に戻ってこれます。
なのでタルパとの文章会話もまずは「相談」から始めましょう。
何でも良いので、今自分が抱えている悩みや疑問を「質問」の形でノートに書き込みます。この時点では質問文のわかりやすさはあまり考えなくて大丈夫。
とりあえず最後に「?」をつけて、相手にパスを投げられればOK。ターンエンドです。
④キャラとして回答を書く
パスを投げたら次はタルパのターンです。
まずは演劇台本のように、段落の頭にキャラの名前を書いて誰の言葉か分かる様にしておきましょう。
LINEみたいにアイコンとなる簡易イラストを描いても良いでしょう。顔文字を描くだけでもリアクションが豊かになりますし、描いている間に思考を切り替えられます。
そして用意したイラストをチラ見しつつ、先程投げかけられた質問に対してそのキャラだったらどう答えるかを、キャラ視点で考えます。
ここでのポイントは、「回答を考えてから書く」のではなく「書きながら回答を考える」ことです。
どういうことかと言うと、質問に対して「何でこれを質問したんだろ?」「てか何を聞きたいのかよくわからない」「初対面なのに挨拶もなし?」などの”何となく”というレベルの思考が浮かんだら、それらを全て文章として出力してしまうわけです。
そんな余計なことを書いても悩み解消には全く役に立たないと思うかもしれませんけど、実はこれが最重要事項です。
”何となく”レベルの思考を文章化することで、この会話の発言ハードルがものすごく下がります。それによって自分もタルパもズムーズに発言しやすくなるのです。
逆に「そんなこと書いても意味ない」と思って”何となく”の思考をスルーし、意味あるレベルの思考のみを文章化していると、会話の発言ハードルが上がってお互いに発言が減ります。
結果として停滞時間が増え、会話は膨らまず、尻すぼみになって終了してしまうでしょう。
なので、文章会話が上手くいくかどうかは、この余計な「何となくレベルの思考」を文章出力できるかどうかで決まると言っても過言ではありません。
普段は理性に取捨選択された「意味あるレベルの思考」しか表に出てくることはありません。でもあえて取捨選択をしないことで理性の縛りが外れます。
すると、「その発言は自分らしくない」とか「なんで女の子みたいな口調になってんの(笑)」、「まじキモいわーwww」みたいな自己批判感情が消え、素直にキャラを演じられるようになるのです。
「回答を考えてから書く」のでは、考えてる間に必ず理性に検閲されて情報規制がかかります。
でも「書きながら回答を考える」のであれば、理性が割り込む前に記述するため、検閲前の思考を出力できてしまうのです。
そして不思議なもので、思い浮かんだ順にセリフを書いていくと、書いている途中もしくは書いた後に「次に言いたいこと」がまた”何となく”浮かんできます。
あとはそれをつなげていけば自然と思考は前進し、徐々にそれらしい論理的回答が浮かび上がってきます。
言葉に詰まったとしても、「全然いい考えが浮かばない」とか「自分でも何言いたいのかわからなくなってきた」と、正直にその状況を言葉にして、再び「自分」にパスを投げ返してしまえば良いのです。
⑤以下3~4繰り返し
あとはこの「自問自答」ならぬ「自問キャラ答」を切りのいいところまで続けていくだけです。
前述したように「キャラクター思考」は普段と違う思考手順を踏んでいるので、最初に予想もしてなかった「解」に到達できることが多々あるはず。
仮に「解」まで到達できなかったとしても、普段よりも明らかに思考の出力が上がっていた実感が得られれば、文章会話のトレーニング成果としては十分です。
とりあえず切りの良いところまで行けたら、相談を聞いてもらえたことのお礼を書いて文章会話を終了としましょう。
ここまででワンセットです。
あとはこの文章会話を繰り返し、「キャラクター思考」の感覚を磨くことで「会話オート化」に近づいていけます。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
引き続き中編も読んでもらえると嬉しいです。
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でも超高ぇ……
次の記事では、「会話オート化までの流れ」について解説しています。
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